「最近、抜け毛が増えた気がする」「シャンプーのたびに髪がたくさん抜ける」「このまま薄毛になるのでは」と不安になる方は少なくありません。
ただし、抜け毛が増えた=すぐにAGAや薄毛というわけではありません。
抜け毛には自然な生え変わりもあれば、AGA、円形脱毛症、頭皮の炎症、身体の大きな変化などが関係している場合もあります。
まず確認したいのは「本数」より「変化」です。
- 以前より急に抜け毛が増えた
- 髪が細く短くなってきた
- 生え際や頭頂部が変化してきた
- 円形・局所的に抜けている
- 頭皮に赤み・かゆみ・痛みがある
この記事では、毛髪診断士の禿吉が、抜け毛が増える主な原因、AGAによる抜け毛の特徴、生活習慣との関係、医療機関へ相談した方がよいケースまで分かりやすく解説します。
この記事について
この記事は毛髪診断士の禿吉が執筆・編集しています。毛髪診断士は医師ではないため、脱毛症の診断や治療判断はできません。急激な脱毛、円形・局所的な脱毛、強い頭皮症状などがある場合は、皮膚科などの医療機関へご相談ください。
抜け毛が増えた=すぐ薄毛になるとは限らない
髪の毛は一度生えたら、そのまま一生伸び続けるわけではありません。
髪には、
成長期 → 退行期 → 休止期
という毛周期があり、一定期間成長した髪はやがて抜け、新しい髪へと入れ替わります。
そのため、毎日の生活の中で髪が抜けること自体は自然なことです。
「シャンプーをしたら髪が抜けた」「枕に髪が付いていた」というだけで、すぐに薄毛や病気と考える必要はありません。
一方で、以前より明らかに抜け毛が増えた状態が続いている、髪そのものが細くなってきたといった変化がある場合は、一度原因を考えてみる必要があります。
抜け毛が増える主な原因
抜け毛が増える原因は一つではありません。
代表的な原因として、次のようなものがあります。
AGA(男性型脱毛症)
成人男性の薄毛で代表的なのがAGAです。
AGAは、男性ホルモンや遺伝的な要因などが関係し、一般的に徐々に進行する脱毛症です。
AGAでは、単純に「抜け毛の本数が増える」だけではなく、次のような変化が見られることがあります。
- 生え際が少しずつ後退する
- M字部分が目立つようになる
- 頭頂部が透けて見える
- 以前より髪が細くなる
- 短く細い髪が増える
AGAでは、DHT(ジヒドロテストステロン)が感受性のある毛包へ作用し、髪の成長期が短くなることが関係しています。
その結果、髪が太く長く育つ前に抜けるようになり、毛包のミニチュア化が徐々に進みます。
円形脱毛症などAGA以外の脱毛症
抜け毛や薄毛の原因はAGAだけではありません。
たとえば円形脱毛症では、円形や楕円形に髪が抜けることがあります。
AGAが一般的に徐々に進行するのに対し、円形脱毛症では比較的急に脱毛部分に気付くこともあります。
また、症状によっては頭髪だけでなく、眉毛や体毛などにも脱毛が起こる場合があります。
「急に一部分だけ髪がなくなった」「円形の脱毛部分ができた」という場合は、自己判断でAGAと考えず、皮膚科などへ相談してください。
頭皮の炎症や皮膚疾患
頭皮の状態が悪化している場合にも、抜け毛が気になることがあります。
特に、次のような症状を伴う場合は注意が必要です。
- 強いかゆみ
- 赤み
- 大量のフケ
- 湿疹
- 痛み
- かさぶた
たとえば脂漏性皮膚炎では、皮脂の多い部分を中心に赤みやフケ、かゆみなどが生じることがあります。
このような症状がある場合は、育毛剤やシャンプーを次々と試す前に、皮膚科へ相談する方がよいでしょう。
身体への大きな負担や状態の変化
身体に大きな負担がかかった後に、一時的に抜け毛が増えることもあります。
たとえば、次のような出来事が関係する場合があります。
- 高熱を伴う病気
- 手術など身体への大きな負担
- 急激な体重減少
- 極端な食事制限
- 栄養状態の悪化
- 一部の薬剤
- 出産などによる身体・ホルモンの変化
ただし、原因は人によって異なります。
「最近ストレスがあったから、この抜け毛は全部ストレスのせい」といった自己判断は避けた方がよいでしょう。
AGAによる抜け毛にはどんな特徴がある?
AGAでは、抜け毛の「本数」よりも、髪の変化や進行の仕方を見ることが重要です。
- 生え際が少しずつ後退している
- M字部分が目立ってきた
- 頭頂部の地肌が見えやすくなった
- 太かった髪が細くなった
- 短く細い髪が増えた
- 数か月から数年かけて徐々に進行している
AGAでは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってDHTへ変換され、そのDHTが感受性のある毛包へ作用することが関係しています。
テストステロン → 5αリダクターゼ → DHT → 毛包への作用 → 毛包のミニチュア化
ただし、男性ホルモンが多い=AGA、DHTが多い=必ずハゲるという単純な仕組みではありません。
毛包側の感受性や遺伝的な素因なども関係します。
抜け毛と生活習慣はどのくらい関係する?
薄毛について調べていると、「睡眠不足だからハゲる」「脂っこいものを食べると薄毛になる」「運動しないと髪が抜ける」といった情報を見かけることがあります。
睡眠、栄養、運動などの生活習慣は、身体全体の健康を維持するうえで重要です。
ただし、生活習慣が悪いからAGAになり、生活習慣を改善すればAGAが治ると単純に考えることはできません。
AGAは、男性ホルモン、遺伝的な要因、毛包の感受性などが関係する脱毛症です。
生活習慣を整えることは大切ですが、AGAそのものの治療とは別と考えましょう。
食事が悪いと抜け毛は増える?
髪の毛も身体の一部なので、健康な髪を維持するには適切な栄養が必要です。
特に、極端な食事制限や急激な減量によって栄養状態が大きく崩れると、髪にも影響する可能性があります。
一方で、「これを食べれば髪が生える」「この食品でAGAを治せる」という考え方は避けた方がよいでしょう。
髪の健康維持に必要な食事と、AGAを治療することは別です。
ストレスで抜け毛は増える?
「ストレスで髪が抜けた」という話はよく聞きます。
強い身体的・精神的負担の後に、脱毛が起こるケースはあります。
ただし、抜け毛が増えたからといって、すべてをストレスのせいにするのはおすすめできません。
生え際や頭頂部が徐々に薄くなっている場合にはAGAが関係していることもありますし、円形脱毛症や頭皮疾患など別の原因も考えられます。
「最近ストレスが多いから、この抜け毛はストレスだろう」と決めつけず、髪や頭皮の変化を確認することが大切です。
シャンプーすると抜け毛が多いのは危険?
シャンプーをしているときに、指や排水口に髪が付いていると驚く人も多いでしょう。
しかし、シャンプーによって健康な髪が次々と抜けているとは限りません。
すでに毛周期の中で脱落する段階に入っていた髪が、洗髪時にまとまって抜けることもあります。
そのため、「シャンプーしたら髪が抜けた=シャンプーが原因」とは限りません。
一方で、頭皮を爪で強くこする、強い刺激を与え続けるといった洗い方は避けましょう。
シャンプーの主な目的は、頭皮や毛髪を清潔に保つことです。
シャンプーを変えるだけでAGAを治療できるわけではありません。
抜け毛の本数より確認したい5つの変化
抜け毛が気になる場合は、毎日抜けた髪を数えるより、次の5つを確認してみてください。
1.生え際が後退していないか
以前の写真と比べて、生え際が少しずつ後ろへ下がっている場合は、AGAを考える一つの材料になります。
2.頭頂部が透けて見えないか
頭頂部は自分では確認しにくい場所です。
スマートフォンなどで同じ場所・明るさ・角度から定期的に撮影すると、変化を比較しやすくなります。
3.髪が細くなっていないか
AGAでは、抜け毛が増えるだけでなく、髪が徐々に細く短くなることがあります。
「本数はそれほど変わっていないのに、ボリュームがなくなった」と感じる場合にも注意しましょう。
4.円形や局所的に抜けていないか
円形や一部分だけ急に髪がなくなった場合は、AGA以外の脱毛症も考える必要があります。
5.頭皮に赤み・かゆみ・痛みがないか
強い炎症や皮膚症状がある場合は、頭皮疾患が関係している可能性があります。
このような場合は、自己流のケアを続けるより皮膚科へ相談しましょう。
こんな抜け毛は医療機関への相談を検討
抜け毛が気になるからといって、すべての人がすぐに治療を受ける必要があるわけではありません。
ただし、次のような変化がある場合は、医療機関への相談を検討してください。
- 急に大量の抜け毛が増えた
- 円形や局所的な脱毛がある
- 眉毛や体毛にも脱毛が起きている
- 頭皮に強い赤み・痛み・かゆみがある
- 抜け毛の増加が長く続いている
- 生え際や頭頂部の薄毛が徐々に進んでいる
- 原因が分からず不安が強い
症状によっては、皮膚科などの医療機関への相談が適しています。
「抜け毛=AGAクリニック」と決めつける必要はありません。
まずは症状に合った相談先を選ぶことが大切です。
AGAらしい変化がある場合は早めに確認する
一方で、
- 生え際が徐々に後退している
- 頭頂部が薄くなってきた
- 細く短い髪が増えた
といったAGAらしい変化がある場合は、早めに確認しておくのも一つの方法です。
AGAは一般的に徐々に進行する脱毛症です。
「まだそこまで薄くないから」と長期間放置するよりも、気になった段階で医師へ相談し、自分の状態について確認しておくことで、その後の選択肢を考えやすくなります。
現在は、AGAについてオンラインで医師へ相談できる診療サービスもあります。
私自身も、「オンラインAGA診療では何を聞かれるんやろ?」という疑問があり、実際にレバクリのオンライン診療を受けました。
予約、事前問診、診察、薬が届くまでの流れはこちらで公開しています。
抜け毛についてよくある質問
抜け毛が増えたらAGAですか?
抜け毛が増えたからといって、必ずAGAとは限りません。
AGA以外の脱毛症、頭皮疾患、身体状態の変化などでも抜け毛が増える場合があります。
抜け毛の本数だけではなく、生え際や頭頂部、髪の太さ、頭皮の状態なども確認することが大切です。
1日に何本抜けたら危険ですか?
抜け毛の本数には個人差や日による変動があるため、「○本以上ならAGA」と単純に判断することはできません。
毎日正確に数えるより、以前と比べて急激に増えていないか、髪が細くなっていないか、薄毛が進行していないかを見る方が重要です。
ストレスで抜け毛は増えますか?
強い身体的・精神的負担が脱毛に関係するケースはあります。
ただし、抜け毛の原因がすべてストレスとは限りません。長く続く場合や薄毛の進行がある場合は、AGAやその他の脱毛症も含めて考える必要があります。
シャンプー時の抜け毛が多いのは異常ですか?
シャンプー時には、すでに抜ける段階にあった髪がまとまって落ちることがあります。
そのため、洗髪時に髪が抜けることだけで異常とは判断できません。
ただし、以前より明らかに増えた状態が続く場合は、髪や頭皮の変化も確認してください。
抜け毛が気になる場合は何科へ行けばいいですか?
原因が分からない、円形・局所的な脱毛がある、頭皮に強い症状があるといった場合には、皮膚科への相談が一つの選択肢です。
生え際や頭頂部が徐々に薄くなっており、AGAが疑われる場合には、AGAを診療している医療機関へ相談する方法もあります。
まとめ|抜け毛は「本数」より「変化」を見る
抜け毛が増えると、「このまま薄毛になるのでは」と不安になりやすいものです。
ただし、抜け毛には自然な生え変わりもあり、AGA以外にもさまざまな原因があります。
重要なのは「今日何本抜けたか」ではなく、「以前と比べて髪や頭皮がどう変化しているか」です。
特に、次のような変化がある場合は一度原因を確認した方がよいでしょう。
- 生え際や頭頂部が徐々に薄くなっている
- 髪が細く短くなってきた
- 円形や局所的に抜けた
- 頭皮に強い炎症がある
- 急激な抜け毛が続いている
生活習慣を整えることは、髪や身体の健康維持にとって大切です。
一方で、AGAは生活習慣だけで説明できる脱毛症ではありません。
抜け毛が気になる場合は、ネット上の「これを食べれば治る」「このシャンプーなら生える」といった情報だけで判断せず、自分の髪や頭皮の変化を確認し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
参考情報
※医学情報や診療情報は更新される場合があります。症状がある場合は、医師などの専門家および最新の公式情報をご確認ください。



