髪の毛の仕組みについて、書籍を元に、髪の毛の仕組みを図示してみせた禿吉。
ウスゲスキー教授から、薄毛や抜け毛の原因について、本格的に教わることになった。
禿吉の薄毛の原因はいったいどこにあるのだろうか?
薄毛・脱毛の悪化する原因とは?
薄毛や脱毛が悪化する要因は、現在においても研究途上にありますが、その原因にはある程度パターンがあることが分かってきています。
今回は、薄毛や脱毛が悪化する主な原因について、いくつかの原因と考えられるパターンをご説明いたします。
遺伝による薄毛・脱毛の悪化
脱毛症の主な原因のひとつに、遺伝的要素が深く関わっていることは、昔から指摘されてきた原因でもあります。
受精後、すでに3ヶ月頃の胎児の段階で、将来、黒髪になるか金髪になるか、直毛になるか縮毛になるかなどといった、毛髪に関する「親の遺伝性」がすべて受け継がれます。
この遺伝情報を受け継いだ最初の毛母細胞ができると、その後、細胞分裂が繰り返された後に、毛髪が作られます。
脱毛そのものの遺伝子はまだ見つかっていませんが(まれな遺伝性全身脱毛症の原因遺伝子は1998年に発見されています)親から受け継いだ脱毛を起こしやすい体質、骨格、皮膚の状態など、さまざまな遺伝因子があります。
男性の75%はハゲ体質を受け継いでいる?
遺伝が深く関わっている男性型脱毛症の場合、遺伝因子が一つあった場合には、男性は脱毛症になりやすいのですが、女性の場合、脱毛症の心配はほぼありません。
しかし、「遺伝因子が二つある場合、男女どちらも脱毛症になるリスクが高まる」と報告されています。
遺伝を受け継ぐ確率は両親からの場合が最も高く、両親のいずれにも脱毛症や薄毛があった場合、男女ともに脱毛症がおこりやすくなります。
ほかに、祖父母や曾祖父母からも遺伝を受け継ぐ可能性があるとされています。
祖父母や叔父、叔母に薄毛の人がいる場合、女性はリスクが低いですが、男性の場合は脱毛症になる人が多い傾向があります。
現在報告されている様々な調査結果をもとに解析すると、男性は71~75%、女性は25~29%の割合でハゲ、薄毛になりやすい遺伝的体質を受け継いでいることになります。
親や親戚の頭髪を見て心配になった場合は、できるだけ早い時期から薄毛予防の対策を行うことが望ましいのです。
男性ホルモンと薄毛の関係について
男性型脱毛症に男性ホルモンが大きく関係していることも、かなり以前から言われてきたことです。
アメリカのハミルトン医師の実験によると、思春期前に去勢して睾丸を取り除いた場合には、若年性脱毛症は起こらず、脱毛症が進行中の人を去勢したらハゲの進行はとまり、このような人に男性ホルモンのテストステロンを注射したら、再び脱毛症は進行を始めたという実験結果が報告されています。
また、脱毛症の起こりやすい前頭部の頭髪と、脱毛症が起こりにくい後頭部の頭髪を交換移植した場合、後頭部から前頭部に移植した頭髪はそのままで、前頭部から後頭部に移植した頭髪は脱毛したという実験結果も報告されています。
その結果、同じ人でも頭髪の場所によっては、毛髪と男性ホルモンとの関係は異なると考えられます。
頭皮の場所ごとに毛の男性ホルモン感受性が決まっていて、その性質は植えかえられても変化せず、新しい場所の毛と同じ感受性は示さないという性質を持っていると考えられるのです。
ストレスによる薄毛・脱毛の悪化
ある調査結果によると、薄毛になりやすい人の8割が心理学でいうところの「神経質タイプ」であったいう結果報告がありました。
イライラしていたり、心配事が多かったりすると、ストレスから皮脂腺の働きが活発になり、皮脂の分泌が増すという調査結果があります。
また、ストレスが過剰にかかると、自律神経のバランスが崩れがちになります。
自律神経は、自らが意識しなくても自然に体の各機能を調整するように働いてくれる神経のことです。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、自動車のブレーキに例えられるのが副交感神経で、アクセルの役割に例えられるのが交感神経です。
例えば、朝目が覚めると、活動モードになり、意欲的に活動できるのは交感神経の働きによるものです。
具体的な働きは、血圧が上昇することで、体中に血液が巡ることで活動モードになります。
夜になると、血圧が低下し、一種のリラックスモードに入ります。
体は休息に向かう働きをし始めるのですが、これが副交感神経の働きなのです。
ストレスがある場合、交感神経と副交感神経の二つのバランスが崩れると同時に、緊急の際に生体を活性化させて攻撃態勢を作りだす「カテコラミン」というホルモンが分泌されます。
カテコラミンとはストレスに対抗する為には欠かせないホルモンなのですが、このホルモンが分泌されると血管が収縮しやすくなり、交感神経の緊張から胃腸障害などを起こす可能性が高まります。
その為に、胃腸の消化や吸収といった機能が悪化して、栄養不足から脱毛することが多くなる場合があります。
また、毛乳頭に通っている毛細血管も収縮しやすくなるため、髪の毛にも栄養がいきわたりにくくなり、その結果髪の毛が抜けやすくなる、抜け毛が増えるというわけです。
このような事態を避けるには、日頃からストレスがかかることを避け、毎日を快適にすごして、睡眠不足にならないように気を付けることが重要となります。
食生活による薄毛・脱毛の悪化
食生活によっても薄毛や脱毛が悪化する場合があります。
毛髪は皮膚の一部であり、血管から栄養をもらっています。
良い髪の毛を育てるためには、日頃「何を食べるか」が非常に重要となります。
まず注意したいことは、肉食など脂分の多い食事のとりすぎには注意する必要があります。
血液中のコレステロール濃度が高まり、皮脂の分泌が多くなると、脂漏性脱毛症の原因になる恐れがあります。
髪の毛はケラチンというたんぱく質でできており、18種類のアミノ酸が結合しています。
中でも、含硫アミノ酸のシスチンが多く含まれており、たんぱく質が不足すると薄毛や脱毛が起こりやすくなるという結果が報告されています。
魚や大豆などの良質なたんぱく質をとることは、薄毛予防にも重要とされています。
また、亜鉛や銅、セレニウム、硫黄などのミネラルの不足も、抜け毛や白髪が増える原因と言われています。
ビタミン類の不足にも注意が必要です。
ビタミンAが不足すると、皮脂の分泌が減少して、汗腺の働きが衰え、皮膚表面の角質層が厚くなり、皮膚は潤いが無くなり、毛髪は乾燥しやすくなります。
ただし、ビタミンAが不足しているからといって、ビタミンAを過剰に摂取することは、逆に脱毛を引き起こす可能性があるため、ビタミンAは多すぎることも注意する必要があります。
また、ビタミンB6の不足は、たんぱく質の代謝に異常をきたしたり、結果として、皮脂の分泌を増やし、脂漏性脱毛症の原因になる場合があります。
アルコールやコーヒーなどのカフェインは体内のビタミンを破壊するため、アルコールやコーヒーの取り過ぎには注意しましょう。
タバコ・喫煙による薄毛・脱毛の悪化
タバコ、喫煙が抜け毛の原因になっていることも医学的に報告されています。
タバコの煙に含まれる「ニコチン」は、血管を収縮させるため、栄養分が頭髪を育てる事を妨げることにつながります。
ハーバード大学公衆衛生学部の調査結果によると、喫煙がアンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロテストステロンなど、ほとんどすべての主要な男性ホルモンを増加させることが報告されています。
この研究は、喫煙とホルモンの関係を調べたもので、脱毛についての研究ではありませんが、喫煙によって脱毛をより促進したり、脱毛量を大幅に増加させる危険性があることを調査結果は示しているわけです。
なによりも、喫煙は咽頭がんや肺がんの発症リスクを高めるため、脱毛以前に健康への悪影響を考える必要があるでしょう。
健康状態による薄毛・脱毛の悪化
健康状態が悪化する事で薄毛や脱毛を引き起こすケースがあります。
特に大事なのは、食べ物の消化や吸収をつかさどっている「胃腸の健康状態」を良好に保つことです。
食べたものがうまく消化、吸収されなければ、髪の毛を健康に保つことはできません。
また、肩こりなども頭皮の血行を悪化する原因のひとつです。
肩こりなどはひどくなる前にマッサージなどでほぐして血行を良くするように心がけましょう。
円形脱毛症などの場合は、ひどい肩こりになることがあります。
その他にも、糖尿病や甲状腺の異常、性感染症の梅毒、自己免疫疾患などの病気によって髪の毛が抜ける原因となるケースがあります。
これらの場合には、原因となる病気の治療を優先して行うため、医療機関などへの相談、診察が必要となります。
間違ったヘアケアによる薄毛・脱毛の悪化
肌質に合っていない合成界面活性剤や殺菌剤などが多量に含まれているシャンプー剤、整髪剤などを使用したことで、皮膚への刺激が抜け毛の原因となるケースがあります。
また、シャンプーの後のすすぎが不十分だと、そのシャンプーの成分が頭皮に残り、皮膚を刺激することになります。
パーマ液や毛染め剤などに含まれるチオグリコール酸やジアミン、アルカリ剤が地肌に浸透すると、皮膚や髪が荒れて、脱毛の原因となることも報告されています。
パーマ液や毛染め剤は頭皮に薬剤成分がつかないように十分に注意して、使用後はしっかりとすすいで成分を頭皮に残さないように注意する事が必要です。
また、ブラッシングによる静電気の発生や、ポニーテールなどの髪の毛を引っ張るスタイルを長時間続けることで、毛乳頭組織周辺に軽い炎症が起こり、その積み重ねが原因で皮膚組織の老化を早め、脱毛を促進してしまうというケースもあります。
ナイロンブラシで乾いた髪をブラッシングすると、毛髪の表面にはプラスの電気が帯電します。
この電気が毛幹を通って毛乳頭に達すると、皮膚内部の電気はマイナスのため、この部分でショートすることになります。
結果として、毛髪と毛乳頭との間に細かな気泡が発生し、毛球は委縮してしまうことになります。
この時に発生している静電気は、実に1万ボルト以上になっていることがあります。
少しくらいの気泡であれば、時間の経過とともに消えていきますがブラッシングを頻繁に行うと、髪の毛は毛乳頭から浮き上がり、ついには乳頭剥離を起こして、細胞は角化して固着力を失い、脱毛につながります。
ブラシを水で濡らしたり、髪に水、またはヘアクリームをつけてブラッシングしたり、静電気防止スプレーを使用することで防止できるでしょう。
3万人が実感!髪がみるみる蘇る(板羽忠徳著・二見書房) 第二章 薄毛・脱毛の原因とタイプを考えるより
薄毛には原因がある。薄毛の原因となるいくつかの事例をウスゲスキー教授から教えてもらった禿吉。
薄毛のミカタの存在意義は「薄毛の改善となる可能性を客観的な視点で伝える事」にあることも知った。
いよいよ薄毛改善についてのウスゲスキー教授の研究の成果の秘密が明かされる!