瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)とは?
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)とは、皮膚に瘢痕(はんこん)が生じる事を原因として生じる脱毛症のことを言います。
瘢痕(はんこん)とは、できものや傷などが直った後に皮膚面に残るあとのことです。
皮膚に瘢痕が生じる事で、毛を生み出すことに重要となる毛包と呼ばれる部分にもダメージを受けてしまう為、髪の毛の再生ができなくなってしまいます。
瘢痕性脱毛(はんこんせいだつもうしょう)は、一般的には外傷や熱傷、がん、強皮症などの膠原病、感染症、化学物質などを原因として発症することが報告されています。
では、瘢痕性脱毛症の主な原因についてご説明したいと思います。
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)の主な原因
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)の主な原因としては、外傷や熱傷、がん、膠原病(強皮症など)、感染症、化学物質などを原因として発症する事が報告されています。
また、これらの原因のほかに原発性瘢痕性脱毛症と呼ばれる脱毛症も存在します。
皮膚には、毛を生み出す「毛包」と呼ばれる部分がありますが、毛包に存在する細胞が正常に増殖する事が髪の毛の再生につながっています。
皮膚の瘢痕化により、毛包などの髪の毛の再生に重要な部分が損傷する事で髪の毛が再生されなくなってしまうのです。
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)の症状としては、瘢痕によって髪の毛が生えなくなってしまう他、同じ瘢痕部分の皮膚に赤みやかさぶたの付着、色素沈着や脱色などの変化を伴うケースがあります。
髪の毛が失われる範囲についても症状によって様々なパターンがあり、広範囲に髪の毛が失われることもあれば、線状に髪の毛が失われる場合、また部分部分が飛び地的に髪が失われることもあります。
また、症状が「円形脱毛症」に似ているケースもある為、専門の医師のいるクリニックなどで正しい診察を受ける事が大切です。
見た目だけで判断せずに、瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)、もしくは円形脱毛症の症状が現れた段階で、専門の医師の診断を受ける事を強くおすすめします。
では、瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)の治療法、改善方法についてご説明したいと思います。
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)の治療法
続発性の瘢痕性脱毛症の治療法としては、瘢痕の原因となっているものに対して治療を行う必要があります。
たとえば強皮症が原因である場合にはステロイドなどを用いた治療法が一般的です。
がんが原因で瘢痕性脱毛症を発症している場合は摘出術などが治療法として検討されることがあります。
原発性の瘢痕性脱毛症に対しては、ステロイドの局所注射や内服治療を中心に治療を行うことが多いようです。
瘢痕性脱毛症の場合は、損傷した毛包によって髪の毛の再生が期待できなくなってしまうケースもあります。
狭い範囲の瘢痕性脱毛であれば手術で脱毛部位を切除する方法がありますが、広範囲に及ぶ場合はかつらやウィッグの着用を検討する必要があるかもしれません。
いずれにせよ、脱毛症の症状を認めたら、早い段階で専門の医療機関などで診察、治療を行う事が大切です。
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)のまとめ
今回は、脱毛症の中で瘢痕によって生じる瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)についてご説明いたしました。
瘢痕性脱毛症は、瘢痕(できものや傷などが直った後に皮膚面に残るあと)によって毛包が傷つけられ髪の毛の再生ができなくなる脱毛症のことです。
瘢痕性脱毛症の主な原因としては、外傷や熱傷、がん、膠原病(強皮症など)、感染症、化学物質などが考えられます。
人によって脱毛症の範囲や症状が異なる為、できるだけ早期に専門の医療機関で診察を受ける事が重要です。
瘢痕性脱毛症の範囲が狭い場合は脱毛部位を切除する手術で改善するケースがあります。
瘢痕性脱毛症が広範囲に及ぶような場合には、カツラやウィッグなどを利用する事も必要となる場合があります。