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薄毛・AGA用語集

びまん性脱毛とは?髪全体が薄くなる原因・AGAとの違いを毛髪診断士が解説

びまん性脱毛症とは

「生え際だけではなく、髪全体のボリュームが減ってきた」「分け目が広がった気がする」「抜け毛が増えて、全体的に薄くなってきた」と感じている方もいると思います。

このような状態を調べると、びまん性脱毛という言葉を目にすることがあります。「びまん性」とは、限られた一部分ではなく、広い範囲に広がる状態を表す言葉です。

そのため、びまん性脱毛は「1つの特定の病気の名前」というより、頭髪全体または広い範囲が薄く見える状態を表す言葉として使われることがあります。

背景には、女性型脱毛症、休止期脱毛、急激な体重減少、妊娠・出産、栄養状態、薬剤、甲状腺疾患など、さまざまな原因が考えられます。

この記事では、毛髪診断士の禿吉が、びまん性脱毛とは何か、AGAとの違い、考えられる原因、女性型脱毛症や休止期脱毛との関係、医療機関へ相談した方がよいケースまでわかりやすく整理します。

この記事について
この記事は毛髪診断士の禿吉が執筆・編集しています。毛髪診断士は医師ではないため、脱毛症の診断や治療は行えません。急激な脱毛や全身症状を伴う場合、脱毛が長く続く場合は、皮膚科などの医療機関へご相談ください。

びまん性脱毛とは?

びまん性脱毛とは、頭皮の一部分だけではなく、頭髪全体または広い範囲で髪が薄く見える状態を指して使われる言葉です。

AGAのように生え際や頭頂部を中心に薄くなるパターンや、円形脱毛症のように境界のはっきりした脱毛斑ができる状態とは、見え方が異なることがあります。

  • 髪全体のボリュームが減った
  • 分け目が広く見えるようになった
  • 地肌が全体的に透けて見える
  • ポニーテールが以前より細くなった
  • 洗髪時の抜け毛が急に増えた

ただし、重要なのは、「びまん性脱毛」という見え方だけでは原因を特定できないということです。

「びまん性脱毛症」は1つの病気とは限らない

「びまん性脱毛症」という言葉を見ると、それ自体が1つの病気のように感じるかもしれません。しかし、髪全体が薄くなる背景には複数の原因があります。

びまん性に髪が薄く見えるときに考えられる主な原因

  • 女性型脱毛症
  • 休止期脱毛
  • 急激な体重減少
  • 妊娠・出産に伴う変化
  • 栄養状態の変化
  • 薬剤の影響
  • 甲状腺疾患などの内科的疾患
  • その他の脱毛症

そのため、髪全体が薄くなった=特定の1つの病気と自己判断しないことが大切です。

びまん性脱毛とAGAの違い

びまん性脱毛とAGAは、見た目が重なる場合があります。AGAでは一般的に、生え際や頭頂部を中心に髪が徐々に細く短くなっていきます。

一方、びまん性脱毛では、頭髪全体の密度低下やボリューム低下として気づくことがあります。

比較項目 びまん性脱毛 AGA
見え方 頭髪全体または広い範囲が薄く見える 生え際・頭頂部を中心に進行しやすい
原因 複数の原因が考えられる DHTや遺伝的要因などが関係
進み方 原因によって急性・慢性などさまざま 一般的に徐々に進行
治療 原因に応じて異なる AGAに対する治療を行う

ただし、女性型脱毛症のように頭頂部を中心に広い範囲が薄くなるタイプもあるため、見た目だけで完全に分けることはできません。また、AGAと休止期脱毛などが同時に起こる可能性もあります。

女性型脱毛症との関係

女性で髪全体のボリュームが減ってきた場合、女性型脱毛症が関係するケースがあります。

女性型脱毛症では、男性AGAのように生え際が大きく後退するというより、頭頂部や分け目を中心に髪の密度が低下することがあります。そのため、「全体的に薄くなってきた」「分け目が目立ってきた」と感じることがあります。

ただし、女性のびまん性脱毛には女性型脱毛症以外にも、休止期脱毛、鉄欠乏、甲状腺疾患、薬剤など、さまざまな原因が考えられます。

「女性で髪全体が薄い=女性型脱毛症」と決めつけないことが大切です。

休止期脱毛とは?

髪には、成長期・退行期・休止期という毛周期があります。休止期脱毛は、何らかのきっかけによって休止期へ入る毛髪の割合が増え、その後まとまった抜け毛として現れる状態です。

休止期脱毛のきっかけとして、次のようなものが知られています。

  • 高熱を伴う病気
  • 大きな手術
  • 重い全身疾患
  • 急激な体重減少
  • 妊娠・出産
  • 一部の薬剤
  • 甲状腺機能の異常
  • 一部の栄養不足

休止期脱毛では、きっかけとなった出来事の直後ではなく、数か月ほど経ってから抜け毛が目立つことがあります。

そのため、「最近は特に何もなかった」と思っていても、数か月前の体調変化や生活上の大きな変化が関係している可能性があります。

急激なダイエットとびまん性脱毛

短期間で大きく体重を落としたあとに、抜け毛が増えることがあります。急激な体重減少は身体にとって大きな負担になる可能性があり、休止期脱毛のきっかけの一つになることがあります。

また、極端な食事制限によって、たんぱく質や鉄、亜鉛などの栄養状態に問題が生じる可能性もあります。

ただし、特定の栄養素をサプリメントで大量に摂取すれば髪が生えるという意味ではありません。

栄養不足が疑われる場合は、自己判断でサプリメントを大量に飲むのではなく、必要に応じて医療機関へ相談してください。

鉄不足や栄養不足は関係する?

栄養状態が脱毛に関係するケースはあります。たとえば、鉄欠乏などが脱毛の背景にある場合があります。

ただし、「抜け毛がある=鉄不足」「薄毛=亜鉛不足」と決めつけることはできません。

必要な栄養素が十分に取れている人が、サプリメントを追加すれば薄毛が改善するとは限りません。

特に、極端な食事制限をしている、貧血を指摘されたことがある、疲れやすいなど他の症状もある場合は、医師へ相談してください。

出産後に髪が抜けるのはびまん性脱毛?

出産後に抜け毛が増える人は少なくありません。妊娠中はホルモン変化によって毛周期にも変化が起こり、出産後に多くの毛髪が休止期へ移ることで、抜け毛が目立つことがあります。

多くの場合、身体の状態が落ち着くにつれて改善がみられることもありますが、脱毛が長く続く、非常に強い、他の症状を伴う場合には医療機関へ相談してください。

甲状腺などの病気が関係することもある

髪全体が薄くなる背景に、頭皮以外の病気が関係していることもあります。

たとえば、甲状腺機能の異常では、びまん性の脱毛がみられることがあります。

そのため、

  • 強い疲労感がある
  • 急な体重変化がある
  • 動悸がある
  • 寒がり・暑がりが以前より強くなった
  • その他の全身症状がある

といった場合は、頭皮だけの問題と考えず医師へ相談してください。

薬が原因で抜け毛が増えることもある?

一部の薬剤では、休止期脱毛などが起こることがあります。

ただし、ここで特に大切なのは、抜け毛が気になるからと自己判断で処方薬を中止しないことです。

薬を飲み始めたあとに抜け毛が増えた、薬が原因ではないかと気になる場合は、処方した医師や薬剤師へ相談してください。

ストレスだけが原因とは限らない

髪全体が薄くなったとき、「ストレスで髪が抜けたのでは」と考える人も多いと思います。

大きな身体的・精神的ストレスが休止期脱毛のきっかけになる場合はありますが、髪全体が薄くなっている原因をすべてストレスだけで説明することはできません。

女性型脱毛症、栄養状態、甲状腺疾患、薬剤、出産など、他の原因がないか確認することが大切です。

フィナステリドを飲めば改善する?

フィナステリドは、男性AGAの治療に使用される医薬品です。

そのため、「髪全体が薄くなったから、とりあえずフィナステリドを飲む」という使い方はおすすめできません。

びまん性脱毛の背景が休止期脱毛や内科的疾患、薬剤などであれば、AGAとは治療方針が異なります。まず原因を確認することが大切です。

ミノキシジルを使えばいい?

ミノキシジルは、男性型・女性型脱毛症などで使用される外用薬として知られています。

ただし、びまん性に髪が薄くなっているからといって、すべてのケースでミノキシジルを使えばよいわけではありません。

原因が休止期脱毛、内科的疾患、薬剤などの場合には、まずその背景を確認することが重要です。

原因を確認しないまま自己判断で治療を始めるのではなく、必要に応じて医師へ相談してください。

市販の育毛剤だけで様子を見てもいい?

髪全体が薄くなった場合、市販の育毛剤やシャンプーを最初に試す人もいると思います。頭皮を清潔に保つことや適切なヘアケアは大切ですが、びまん性脱毛の背景に病気、栄養状態、薬剤などが関係している場合、育毛剤だけでは原因に対応できません。

次のような場合は、育毛剤だけで長期間様子を見るより原因を確認することをおすすめします。

  • 急に抜け毛が増えた
  • 数か月で髪全体が薄くなった
  • 体調の変化もある
  • 極端なダイエット後に抜け毛が増えた
  • 新しい薬を飲み始めてから変化した

びまん性脱毛と円形脱毛症の違い

円形脱毛症では、典型的には境界が比較的はっきりした脱毛斑がみられます。

一方、びまん性脱毛では、頭髪全体または広い範囲の密度が低下して見えることがあります。

ただし、円形脱毛症にも頭髪全体へ広がるタイプがあるため、見た目だけで判断することはできません。急激な脱毛がある場合は皮膚科へ相談してください。

びまん性脱毛と脂漏性皮膚炎の違い

脂漏性皮膚炎では、フケ、赤み、かゆみ、ベタつきなどの頭皮症状がみられることがあります。

一方、びまん性脱毛では、必ずしも頭皮に炎症があるとは限りません。

フケや強いかゆみを伴っている場合は、頭皮疾患の可能性も確認する必要があります。

どの診療科へ行けばいい?

髪全体の脱毛が気になる場合は、まず皮膚科へ相談するのがわかりやすいでしょう。

皮膚科では、頭皮や毛髪の状態を確認し、必要に応じて血液検査などが検討されることがあります。

甲状腺疾患、貧血、栄養状態などが疑われる場合には、状況に応じて他の診療科と連携することもあります。

最初から「AGAだろう」と決めつけず、「髪全体が薄くなってきた」「抜け毛が急に増えた」と、そのまま症状を伝えれば大丈夫です。

早めに医療機関へ相談したいケース

次のような場合には、長期間自己判断で様子を見るより、医療機関へ相談することをおすすめします。

  • 短期間で抜け毛が大きく増えた
  • 頭髪全体が急に薄くなった
  • 脱毛が数か月以上続いている
  • 急激な体重減少のあとに脱毛した
  • 出産後の脱毛が長く続いている
  • 疲労感や体重変化など全身症状がある
  • 新しい薬を飲み始めたあとに脱毛が増えた
  • 頭皮に赤み・痛み・強いかゆみがある
  • 眉毛や体毛にも変化がある

びまん性の脱毛は、頭皮だけの問題とは限りません。

びまん性脱毛についてよくある質問

びまん性脱毛症は女性だけですか?

いいえ。女性で目立ちやすい脱毛パターンではありますが、男性でも休止期脱毛などによって頭髪全体の脱毛がみられることがあります。

びまん性脱毛は治りますか?

原因によって異なります。休止期脱毛などでは、原因となった状態が改善することで毛髪の状態も改善するケースがありますが、女性型脱毛症や内科的疾患などでは治療が必要になる場合があります。

ダイエットで髪が抜けることはありますか?

急激な体重減少や極端な食事制限は、休止期脱毛のきっかけになる場合があります。

鉄のサプリを飲めば治りますか?

鉄不足がある場合には適切な対応が必要ですが、抜け毛がある人すべてに鉄サプリが必要なわけではありません。自己判断で大量に摂取せず、必要に応じて医師へ相談してください。

ストレスをなくせば治りますか?

大きなストレスが休止期脱毛に関係することはありますが、原因はそれだけではありません。他の原因がないか確認することが大切です。

フィナステリドで治せますか?

フィナステリドは男性AGAの治療薬です。びまん性脱毛の原因がAGA以外の場合には、適切な治療が異なります。

シャンプーを変えれば改善しますか?

シャンプーは頭皮を清潔に保つために役立ちますが、びまん性脱毛の原因が内科的疾患、栄養状態、薬剤などの場合には、シャンプーだけで改善するとは限りません。

まとめ|髪全体が薄くなったら「原因」を確認する

びまん性脱毛は、頭髪の一部分だけではなく、全体または広い範囲が薄く見える状態を指して使われる言葉です。

重要なのは、「びまん性脱毛症」という1つの原因があるわけではないということです。

  • 女性型脱毛症
  • 休止期脱毛
  • 急激な体重減少
  • 妊娠・出産
  • 栄養状態
  • 甲状腺疾患などの内科的疾患
  • 薬剤
  • その他の脱毛症

このように複数の原因が考えられるため、全体的に薄くなったからAGA治療薬を使う、抜け毛が増えたから育毛剤を使う、ストレスのせいだと決めつけるのではなく、まず何が原因なのかを確認することが大切です。

特に、急に抜け毛が増えた、体調の変化もある、数か月以上脱毛が続いているといった場合は、皮膚科などへ相談してください。

参考情報

※脱毛の原因や治療は、年齢、性別、体調、既往歴、服用中の薬などによって異なります。急激な脱毛や全身症状がある場合は、自己判断せず医療機関へご相談ください。

この記事を書いた人
禿吉
自身も薄毛に悩んだことをきっかけに毛髪診断士を取得。AGA・薄毛について、学会・公的機関・医薬品の公式情報と自身のAGAオンライン診療などの実体験をもとに、分かりやすく解説しています。毛髪診断士は医師ではないため、診断・処方は行いません。
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