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薄毛・AGA用語集

瘢痕性脱毛症とは?原因・症状・AGAとの違いを毛髪診断士が解説

瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)とは?

「抜けた部分の毛穴が見えにくい」「頭皮が赤く、痛みやヒリつきがある」「薄毛というより、皮膚そのものが変わってきた気がする」と感じている場合、AGAや円形脱毛症だけでなく、瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)というタイプの脱毛症も考える必要があります。

瘢痕性脱毛症は、炎症や外傷などによって毛包が強く障害され、瘢痕化することで起こる脱毛症です。毛包が不可逆的に損傷すると、その部分から再び毛髪が生えることが難しくなるため、一般的な薄毛とは異なり、早めに原因を確認することが重要です。

この記事では、毛髪診断士の禿吉が、瘢痕性脱毛症とはどのような状態なのか、AGAや円形脱毛症との違い、主な原因、症状、治療の考え方、皮膚科を受診した方がよいサインまでわかりやすく整理します。

特に早めに皮膚科へ相談したいサイン

  • 脱毛部分の毛穴が見えにくい
  • 頭皮に強い赤みがある
  • 痛みやヒリヒリ感がある
  • 膿やしこりがある
  • 頭皮がつるっとして質感が変わっている
  • 短期間で脱毛範囲が広がっている

この記事について
この記事は毛髪診断士の禿吉が執筆・編集しています。毛髪診断士は医師ではないため、瘢痕性脱毛症を含む脱毛症の診断や治療は行えません。赤み、痛み、膿、急速な脱毛、毛穴が見えにくくなる変化などがある場合は、皮膚科などの医療機関へご相談ください。

瘢痕性脱毛症とは?

瘢痕性脱毛症とは、毛包が破壊され、その部分が瘢痕化することで起こる脱毛症です。

髪の毛は、頭皮の中にある毛包から作られます。AGAや休止期脱毛などの非瘢痕性脱毛症では、毛包そのものが完全に失われているわけではありません。

一方、瘢痕性脱毛症では炎症や外傷などによって毛包が強く障害され、修復が難しい状態になることがあります。

瘢痕性脱毛症で重要なポイント

  • 毛包そのものが障害されることがある
  • 進行すると毛包が瘢痕組織に置き換わることがある
  • 毛包が不可逆的に失われた部分では再発毛が難しくなる
  • 早期に原因を確認し、進行を抑えることが重要

なぜ瘢痕性脱毛症では髪が生えにくくなる?

髪は毛包の中で作られます。

AGAでは、毛周期が変化して髪が徐々に細く短くなりますが、毛包そのものが完全に失われているわけではありません。

一方、瘢痕性脱毛症では炎症などによって毛包そのものが破壊されることがあります。毛包が完全に破壊され、瘢痕組織へ置き換わった場合、その部分から自然に毛髪が再生することは難しくなります。

そのため、瘢痕性脱毛症では「何を塗れば髪が生えるか」だけを考えるのではなく、毛包を障害している原因を早く見つけることが重要です。

瘢痕性脱毛症の主な症状

瘢痕性脱毛症では、単に髪が減るだけでなく、頭皮そのものに変化がみられることがあります。

  • 脱毛部分の毛穴が見えにくくなる
  • 頭皮が赤くなる
  • ヒリヒリする
  • 痛みがある
  • かゆみがある
  • 毛穴の周囲に赤みや角化がみられる
  • 膿や炎症性のしこりができる
  • 頭皮が滑らか、光沢を帯びたように見える
  • 徐々に脱毛範囲が広がる

ただし、瘢痕性脱毛症にも複数の病型があり、すべての人に同じ症状が出るわけではありません。

「毛穴が見えない」は重要なサイン?

瘢痕性脱毛症では、毛包が破壊されることで、脱毛部分の毛穴が見えにくくなることがあります。

一方、AGAや円形脱毛症では、基本的には毛包が完全に消失しているわけではありません。

そのため、脱毛部分がつるっとしていて毛穴がほとんど見えない、頭皮の質感そのものが変わっているという場合は、一般的なAGAとは異なる可能性があります。

ただし、見た目だけで瘢痕性脱毛症を診断することはできません。
気になる変化がある場合は、皮膚科で確認してください。

瘢痕性脱毛症には「原発性」と「続発性」がある

瘢痕性脱毛症は、大きく原発性瘢痕性脱毛症続発性瘢痕性脱毛症に分けて考えられます。

種類 特徴 主な例
原発性 毛包そのものが炎症の主な標的になる 毛孔性扁平苔癬、前頭部線維性脱毛症など
続発性 外傷や他の皮膚疾患などによって二次的に毛包が破壊される 熱傷、外傷、感染症、放射線、皮膚疾患など

どちらの場合も、原因によって治療方法が異なるため、専門的な診断が必要です。

原発性瘢痕性脱毛症とは?

原発性瘢痕性脱毛症では、毛包そのものが炎症の主な標的になります。

代表的なものとして、毛孔性扁平苔癬、前頭部線維性脱毛症、中心性遠心性瘢痕性脱毛症、頭皮の解離性蜂巣炎などがあります。

それぞれ症状や進行の仕方、治療方法が異なるため、疾患名を自己判断するのではなく、皮膚科で評価を受けることが重要です。

続発性瘢痕性脱毛症とは?

続発性瘢痕性脱毛症では、毛包以外の病変や外傷などによって二次的に毛包が破壊されます。

  • 熱傷
  • 外傷
  • 放射線治療
  • 強い感染症
  • 一部の皮膚疾患
  • 皮膚の腫瘍

この場合は、脱毛そのものだけではなく、原因となっている病気や損傷への治療が重要になります。

瘢痕性脱毛症とAGAの違い

瘢痕性脱毛症とAGAは、どちらも髪が減る病気ですが、仕組みは大きく異なります。

比較項目 瘢痕性脱毛症 AGA
主な仕組み 炎症などにより毛包そのものが障害される DHTなどの影響で毛周期が変化する
毛包 破壊されることがある 基本的には残っている
頭皮症状 赤み・痛み・かゆみ・膿などを伴うことがある 通常は強い炎症症状を伴わない
毛穴 見えにくくなることがある 通常は消失しない
治療の目的 原因治療と進行抑制 AGAの進行抑制・発毛促進

簡単に整理すると、AGAは毛包が残った状態で髪が細く短くなっていくのに対し、瘢痕性脱毛症では毛包そのものが破壊される可能性があるという違いがあります。

瘢痕性脱毛症と円形脱毛症の違い

円形脱毛症でも、境界が比較的はっきりした脱毛部分ができることがあります。そのため、見た目だけでは瘢痕性脱毛症と混同することがあります。

大きな違いは、円形脱毛症が基本的に非瘢痕性脱毛症であるのに対し、瘢痕性脱毛症では毛包が破壊される可能性があることです。

円形脱毛症では自己免疫反応が関係すると考えられていますが、毛包そのものが瘢痕化して失われるタイプの脱毛症ではありません。

一方、瘢痕性脱毛症では進行すると、脱毛部分の再発毛が難しくなることがあります。

脂漏性皮膚炎との違いは?

脂漏性皮膚炎でも、頭皮に赤み、かゆみ、フケなどが出ることがあります。

しかし、脂漏性皮膚炎は頭皮の炎症を中心とする皮膚疾患で、通常は毛包そのものを不可逆的に破壊する病気として扱われるものではありません。

一方、瘢痕性脱毛症では毛包が破壊されることで、その部分の毛髪が再生しにくくなる可能性があります。

頭皮の赤みやかゆみだけで区別するのは難しいため、脱毛部分の広がり方や毛穴の状態も含めて医師が判断します。

瘢痕性脱毛症はなぜ起こる?

瘢痕性脱毛症の原因は1つではありません。

原発性瘢痕性脱毛症では、炎症によって毛包が直接障害されます。一方、続発性では、熱傷、外傷、感染症、放射線、自己免疫に関係する皮膚疾患、腫瘍などによって毛包が二次的に破壊されることがあります。

そのため、瘢痕性脱毛症を「頭皮環境が悪いから」「皮脂が多いから」など、一つの原因だけで説明することはできません。

代表的な瘢痕性脱毛症

瘢痕性脱毛症には複数の種類があります。一般の方がすべての疾患名を覚える必要はありませんが、代表例を知っておくと「AGAだけではない」という理解につながります。

疾患名 主な特徴
毛孔性扁平苔癬 毛包周囲の炎症や角化を伴いながら脱毛が進行することがある
前頭部線維性脱毛症 前頭部の生え際を中心に脱毛が進行することがある
中心性遠心性瘢痕性脱毛症 頭頂部付近から周囲へ広がることがある
頭皮の解離性蜂巣炎 痛み、膿、炎症性のしこりなどを伴うことがある

これらはAGAとは治療方法が異なります。生え際や頭頂部の脱毛だけを見てAGAと自己判断しないことが重要です。

頭皮に膿やしこりがある場合は注意

瘢痕性脱毛症の中には、強い炎症を伴うタイプがあります。

次のような症状がある場合は、単なる薄毛として様子を見ない方がよいでしょう。

  • 膿が出る
  • 強い痛みがある
  • 頭皮が腫れている
  • しこりがある
  • 毛包炎のような症状を繰り返す
  • 炎症部分が広がっている

こうした症状は、AGAだけでは通常みられない変化です。

瘢痕性脱毛症ではどんな検査をする?

瘢痕性脱毛症が疑われる場合、医師は頭皮や脱毛部分の状態を確認します。

必要に応じて、次のような検査が検討されることがあります。

  • ダーモスコピーによる頭皮・毛穴の観察
  • 血液検査
  • 真菌検査
  • 頭皮の皮膚生検

特に瘢痕性脱毛症では、原因となる疾患を特定することが治療方針に大きく影響します。

外見だけで「AGA」「円形脱毛症」と自己判断するのではなく、専門的な診察を受けることが重要です。

瘢痕性脱毛症ではどんな治療が行われる?

治療は、原因となっている疾患によって異なります。

原発性瘢痕性脱毛症では、主に炎症を抑え、これ以上毛包が破壊されるのを防ぐことが治療の重要な目的になります。

症状や病型によって、外用薬、局所注射、内服薬、抗菌薬、免疫反応を抑える治療などが検討されることがあります。

続発性の場合は、感染症、外傷、皮膚疾患など、原因そのものへの治療が必要になります。

瘢痕性脱毛症の治療は、「すでに失われた髪を必ず生やす治療」ではありません。
病型によっては、炎症を抑え、残っている毛包を守り、これ以上の脱毛を防ぐことが大きな目的になります。

フィナステリドを飲めば改善する?

フィナステリドは、男性AGAに使用される治療薬です。

瘢痕性脱毛症はAGAとは発症の仕組みが異なるため、瘢痕性脱毛症そのものを治療する目的で使用する薬ではありません。

生え際や頭頂部の脱毛を見て「AGAだろう」と自己判断し、フィナステリドだけで様子を見ると、別の病気の発見が遅れる可能性があります。

赤み、痛み、毛穴の変化などがある場合は、まず皮膚科で状態を確認してください。

ミノキシジルを塗れば髪は生える?

ミノキシジル外用薬は、男性型・女性型脱毛症に使用される発毛剤です。

しかし、瘢痕性脱毛症で毛包が完全に破壊されている部分では、AGAと同じように発毛が期待できるとは限りません。

また、頭皮に強い炎症や傷がある状態で自己判断で外用剤を使用すると、刺激になる場合があります。

そのため、赤み・痛み・炎症を伴う脱毛へ自己判断でミノキシジルを塗るのではなく、まず原因を確認することが大切です。

育毛剤やシャンプーで治せる?

瘢痕性脱毛症は、育毛剤やシャンプーだけで治療できる病気ではありません。

シャンプーは頭皮を清潔に保つためには役立ちますが、毛包を破壊している炎症や疾患そのものを治療できるとは限りません。

特に、「抜け毛だから育毛剤」「頭皮が赤いから薬用シャンプー」と長期間自己判断で対処することは避けた方がよいでしょう。

瘢痕性脱毛症は治る?

これは、原因や進行度によって異なります。

炎症が活動している段階で適切な治療を行い、進行を抑えられる可能性があります。

一方、すでに毛包が不可逆的に破壊され、瘢痕組織へ置き換わった部分では、自然な毛髪の再生が難しくなることがあります。

瘢痕性脱毛症では、「治るかどうか」だけでなく「これ以上進行させないこと」が重要になる場合があります。

自毛植毛はできる?

瘢痕性脱毛症で脱毛部分が残った場合、自毛植毛が検討されるケースもあります。

ただし、炎症が活動している状態で植毛を行っても、移植した毛包が影響を受ける可能性があります。

そのため、まず原因疾患の活動性が十分に落ち着いているかを専門医が判断することが重要です。

瘢痕性脱毛症だからすぐ植毛できる、という単純な話ではありません。

早めに皮膚科へ相談した方がよい症状

次のような症状がある場合は、AGAや一般的な抜け毛として長期間様子を見るのではなく、皮膚科へ相談することをおすすめします。

  • 脱毛部分の毛穴が見えにくい
  • 脱毛部分の皮膚がつるっとしている
  • 頭皮の赤みが強い
  • 痛みやヒリヒリ感がある
  • 強いかゆみがある
  • 毛穴の周囲に赤みや盛り上がりがある
  • 膿やしこりがある
  • 短期間で脱毛範囲が広がっている
  • 育毛剤を使っても改善せず悪化している
  • 生え際が後退すると同時に頭皮に炎症がある

特に「脱毛+炎症+毛穴の変化」が同時にある場合は、早めに原因を確認することが重要です。

瘢痕性脱毛症についてよくある質問

瘢痕性脱毛症はAGAですか?

いいえ。AGAと瘢痕性脱毛症は異なる脱毛症です。AGAでは髪が徐々に細く短くなる一方、瘢痕性脱毛症では毛包そのものが破壊されることがあります。

瘢痕性脱毛症は円形脱毛症ですか?

別の脱毛症です。円形脱毛症は基本的に非瘢痕性脱毛症で、瘢痕性脱毛症では毛包が不可逆的に損傷することがあります。

毛穴がなくなったら髪はもう生えませんか?

毛包が完全に破壊され、瘢痕組織へ置き換わった部分では、自然な再発毛が難しくなることがあります。ただし、見た目だけで毛包が完全に失われているかどうかを判断することはできません。

頭皮が赤いだけでも瘢痕性脱毛症ですか?

いいえ。脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬などでも頭皮の赤みが出ることがあります。赤みだけで瘢痕性脱毛症と判断することはできません。

瘢痕性脱毛症はシャンプーが原因ですか?

一般的なシャンプー使用だけで瘢痕性脱毛症になると単純に説明することはできません。瘢痕性脱毛症には、炎症性疾患、外傷、感染症など複数の原因があります。

何科を受診すればいい?

まずは皮膚科へ相談してください。脱毛部分だけではなく、頭皮そのものの状態を診てもらうことが重要です。

まとめ|瘢痕性脱毛症は「早く原因を確認する」ことが重要

瘢痕性脱毛症は、毛包が強く障害され、瘢痕化することで起こる脱毛症です。

AGAや円形脱毛症との大きな違いは、毛包そのものが不可逆的に破壊される可能性があることです。

  • 毛穴が見えにくくなった
  • 頭皮に赤みがある
  • 痛みやヒリつきがある
  • 膿やしこりがある
  • 頭皮の質感が変わった
  • 脱毛範囲が広がっている

こうした場合、「AGAだろう」「育毛剤で様子を見よう」と自己判断すると、原因となる疾患の発見が遅れる可能性があります。

瘢痕性脱毛症では、すでに失われた毛髪をどうするかだけでなく、残っている毛包を守り、脱毛の進行を抑えることが重要になる場合があります。

気になる変化がある場合は、早めに皮膚科へ相談してください。

参考情報

※瘢痕性脱毛症には複数の病型があり、原因や治療方法は異なります。この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断を行うものではありません。脱毛部分の炎症、痛み、膿、毛穴の消失などが気になる場合は、皮膚科などの医療機関へご相談ください。

この記事を書いた人
禿吉
自身も薄毛に悩んだことをきっかけに毛髪診断士を取得。AGA・薄毛について、学会・公的機関・医薬品の公式情報と自身のAGAオンライン診療などの実体験をもとに、分かりやすく解説しています。毛髪診断士は医師ではないため、診断・処方は行いません。
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